2019年5月16日木曜日
【大アルカナ】恋人 - The Lovers
Ⅵ - The Lovers
恋人 または 恋人たち キーワード : 好転の予兆、恋人たち、結婚、友情、信頼(お久しぶりすぎる更新でごめんなさい! 小説の執筆がひと段落ついて、現在はゆったりまったり期間なので、久しぶりにこのブログの記事を書く時間が設けられました)
22枚ある大アルカナには、大きく分けて5つの区切りがある――と個人的には考えています(ここの解釈は人それぞれなので)。以下が、その区分。
- 偉い人シリーズ(「Ⅰ魔術師」~「Ⅴ法王」までのカード)。
常人を超えているけれどもまだ人間の範疇にある人ら、って感じのカードたち。それぞれに、また違った威厳がある。 - 街の人たちシリーズ(「Ⅵ恋人」~「Ⅸ隠者」までのカード)。
↑の「偉い人シリーズ」の、その下に居そうな人々、って感じのカードたち。威厳はあまり無くとも、内に秘められた力強さや神秘性が滲み出ている。 - 心象シリーズ(「Ⅹ運命の輪」~「ⅩⅥ塔」までのカード)。
人間の内にある心理と葛藤、概念の寓意画って感じのカードたち。希望、道徳、自己犠牲、喪失、自制、怠惰、絶望などなど。 - 超自然シリーズ(「ⅩⅦ星」~「ⅩⅩⅠ世界」までのカード)。
世界そのもの、人間にはとても理解の及ばない領域、って感じのカードたち。偉大すぎるというか、そういう感じだよね。 - 愚者(「愚者」のカードのみ)。
どこにも属せないオンリーワン。
そんなこんなーで「偉い人シリーズ」の解説は終わったので、今回からは次の「街の人たちシリーズ」に入り、その一枚目である「Ⅵ恋人」を書いていきますぜ!
* * *
恋人というカードは、個人的には占断であまり見かけないカードという位置づけにあります。色恋ごとを占う場合はもしかすると登場率が高いのかもしれないけれども、当方はそういうのを一切お断りしているのでね……。
しかし、こと友情が問題となると、正位置であれ逆位置であれ、よく登場するなぁという印象がありますね。
そういうわけで基本的にこのカードは、人と人との絆を象徴する存在です。男女かどうか、恋愛関係にあるかどうかは問いません。恋人同士の絆は勿論、友情に関することや、親子関係など、あらゆる絆を代表します。
カードを見ていただくと、下には裸の男女が立っているのが分かります。右側に立つ男性は、左側に立つ女性に首ったけの様子で、じーっと見つめているものの。女性はというと、中央上部に佇む神様のほうが気になって仕方がないご様子。
つまりこの時点で彼らはまだ「恋人」ではないのですね。まだ“神による采配”で出会ったばかりで、これから先にそういった関係になるのか、ならないのか……――というところでしょう。
それから裸は「嘘偽りない」とか「無垢さ」の象徴であり、転じて「正直になりなさい」という意味。それは「自分の気持ちに正直になり、相手にその思いを伝えなさい」ということでもあり、そして「常に正直に、誰に対しても誠実でありなさい」ということでもあります。
尚、このカードには「アダムとイヴがどうたらこうたら~」という話があったりもしますが、ここでは面倒臭いのでそれは省きます。まあ一つ言うなら、女性の背後にある「知恵の実」=「嘘をつくずる賢さ」に手を出したら最後、関係は破綻していくでしょう、ってことですかね。
というわけでこのカードは「出会い」というワードがキモとなります。何はともあれ「その出会いを大切にしなさい」というカードです。
正位置の場合は人間関係が円滑に進み、何事も順調に進むことを意味し、逆位置の場合は人間関係に亀裂が生じてトラブルが起こる予兆があることを示します。
もっと簡単なことをいえば、正位置の場合は「そのご縁を大事にしなさい」ということを、逆位置の場合は「そのご縁は切った方がいい」ということに。
ただし「切った方がいい」のか、または「(質問者自身が)そのご縁を修復するために、努力をしたほうがいい」のかは、場に登場した他のカードを参照しながら、慎重に判断を。「塔」やら、逆位置の「世界」とかに加えて、その他にも不穏さを告げるカードが並ばない限り、そうそう滅多に「切った方がいい」という占断は出ませんので……。
【正位置】 誠実な態度で接すれば、物事が順調に進んでいく。
恋人同士や友人たち、同僚たち。誠実な対応。順調に進む恋愛。
- 現状は特にこれといった問題もなく、それでいて幸せな時間でしょう。お互いに何もやましい隠し事を抱かぬ限り、このまま関係は順調に進みます。
- 友人関係や職場において、あなたはうまく立ち回っていますし、良い関係を築けているでしょう。彼らから信頼されています。
- もしあなたに恋人が居て、相手との将来を考えているのなら。その次の一歩を踏み出すときが近い、または今がその時だといえるでしょう。
- 仕事場や家庭など、身近にいる人々を大事にしましょう。そうすればあなたのもとに、人々がツキを運んできます。
- 近いうちに、周囲の人々から何か意見を求められる機会があるかもしれません。その時には、なるべく前向きで、希望を抱ける判断を下しましょう。
【逆位置】 不誠実な態度により信頼を失う。
信頼に値しない人物。やましい隠し事。裏切り。離別。関係の破綻。
- 現在、自分ひとりの快楽を何よりも優先しているのでは? それにより周囲を蔑ろにしていると、あとでしっぺ返しが来ますよ。
- 相手を裏切り、その背徳感をあなたは楽しんでいる。その道の先に待っているのはもれなく、破滅です。そうなる前に関係の修復を。
- 様々な理由で、疎遠になりつつある相手がいるようですね。そのままお別れをするのもいいですが、その前に一度、自分自身の態度を反省し、謝罪してみては?
- 相手に対し不満が募っているようです。原因はお互い様かもしれません。でもその相手とすっぱりお別れしたほうが、あなたにとって良いのかもしれません。
- 何事にも曖昧な返事をし、ずるずると引き摺り、決めかねていると、事態は悪い方に転がっていきます。早めの決断を。