RWS版タロットの解説&オリジナルのタロットスプレッドを公開しています。
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2020年6月18日木曜日

【大アルカナ】隠者 - The Hermit


Ⅸ - The Hermit

隠者   キーワード : 内省、頭の中に引きこもる、一歩引いた視点、慎重さ、思慮深さ

 このカードは「女教皇(逆)」と並んで、個人的にめちゃくちゃご縁のあるカードです……。どんな性格かがバレてしまいそうですねぇ、えへへ(白目

 まあ、そんな話は措いといてと。

 隠者というカードは見ての通り、隠者としか言いようがありません。浮世から離れた場所で自分の世界に引きこもり、思索に明け暮れるような、そんなイメージ。ゆえに特定の人物を示す場にこのカードが出てきた時にはちょっと性格も捻くれてて、通俗的な感じではない人物というような意味になるでしょう。

そう、このブログの管理人のことだ!

 絵柄については、いつもほど凝った解説ができない(後で少しやりますが)「隠者」のカードでございますが。このカードにおいて注目すべきなのは、細かいディテールよりも「隠者が向いている方向」です。

 以前、「女帝」の記事でも触れましたが、タロットカードには“描かれている人物が向いている方向”にも意味が込められています。簡単にまとめると、以下の通りです。

  • 左向き = 過去に起きたことに注目している状態。
  • 正面 = 現在目の前にあるものに集中している状態。
  • 右向き = 未来、もしくは可能性に注目している状態。

※意味はあくまでも一例であり、この意味が全てではありません。

 さらに視線の向きの上下からも、意味を読み取ることができます(ただし、視線の上下からリーディングする方法に関しては「この構図だったら、まあこうしか描けないよね~……」っていうケースもあるため、大アルカナの一部とコートカードにしか使えない方法ではあります。左右の向きと違い、オールマイティではありません)

  • 視線が上向き = 上の空な状態。
  • 視線が平行 = 自信の表れ。
  • 視線が下向き = 内省的な状態。

※意味はあくまでも一例であり、この意味が全てではありません。

 例えば、皇帝は「身体は正面」を向いていて、「目は左を、平行に見ている」状態です。これは表向きは現在と向き合っているように見えるものの、心には不安があり、過去の栄光に縋っている傾向があるという皇帝の特性を表しています。

目に注目

 続いて、死神は「身体も右向きで、進行方向も右向き」でありながらも「顔はやや正面向き」です。これは「今あるものを破壊する」ことが「すべては新しい将来を迎えることに繋がる」という死神の特性を示しているといえるでしょう。

ちなみに、災厄を生き延びた人々は左上を向いています。
これは「二度と戻れない過去に思いを馳せる」とも読めますね。

 そして、隠者を見てください。ガッツリ左下を向いてますよね?


 そう。隠者は「過去と自分自身しか見ていない」ような状態です。

 ……こんな乱暴な書き方をすると、このカードがめちゃくちゃ悪い存在のように思えるかもしれませんが、実際はそんなことありませんよ(逆位置の場合は違うけど)。むしろこのカードは「今は自分自身を見つめなおすべき時だ」と諭す存在です

 ここで、いつも通り絵に注目していきましょう。

 背景は、ややグレーがかった紺色です。この背景色は「隠者」と「カップの8」にしか見られないものであり、どちらも夜の静けさを想起させる絵柄をしています。そしてどちらにも「過去」が関連しています。

カップの8
こちらは「過去と決別し、未来へ進む」という意味です。

 ともかく、この背景色は「夜」「静けさ」を表すというわけです。

 また隠者が着るローブは灰色です。この灰色には「どちらにも付かず、中立である」という意味もあります。中立な視点から一歩引いて、状況を分析せよ、ってことです。

 それから隠者が手に持つランプ。これは杖と合わせて「道を照らし示し、歩みを支える者」という意味があります。

 さらにランプの中に宿っている六芒星は、神聖なものとされています(日本では古来より「魔除け」という意味も込められています)。また、六芒星はタロットととても縁の深い図形です(六芒星を基にしたスプレッド「ヘキサグラム展開法」は、ケルト十字展開法に次いで有名なスプレッドでしょう)。まさに「神聖な存在が道を照らし、進むべき方向を教えてくれる」という感じですね。

 そして賢者が持つ黄金の杖には上述の意味に加えて錬金術との関連性ヘルメス思想転じて「高度な知性」がうんたらかんたら~って話もありますが、まあそれは頭の片隅程度で。物凄く重要なポイントでもないのですしね。

 つまり、隠者のカードを統括しますと「静けさの中で自分自身を見つめなおし、過去に見落としたものを炙り出して見つけたあと、真に行くべき道を見定めよ」ってな感じになります。


 ……というわけで、隠者のカードの意味ですが。正位置の場合は「内省しなさい」ってことを意味し、逆位置の場合は「 頭 を 冷 や せ ! 」っていう警告になります。

 また状況を示す場所にこのカードが出てきた時には、正逆の向きを問わず「一歩引いた視点にとどまることを意識し、今は状況と自分自身をよく分析することに徹しなさい」という意味になります(逆位置の場合は、より「今は分析に努めなさい」という意味が強くなります)。そして場合によっては、「積極的に動き回ることは、今は推奨できない」ということを意味する時があります(こちらも、逆位置の場合により意味が強くなります)

 「今は動かない方がいい」という意味を持つカードには、「死神」や「月(正)」などがありますが、とはいえ隠者はそれらカードと比べると意味の強さがワントーン落ちる感じです。というよりも「隠者」っていうのは、「死神」などの“より意味の強いカードに移行する前に現れる、「そろそろ気を引き締めないとヤバいことになるぞ~」を知らせる警告”のような存在ですかね。

 このカードが出てきたときには、やっぱり自分自身の過去の言動を振り返り、よく反省した方がいいです。

 また、行動派の「戦車」をアポロンとし、静的な「隠者」をヘルメスとして、両者を対比させる解釈(アポロンとヘルメスには、物を取り合って揉める話がある)なんてものもありますが、こちらも頭の片隅程度で。




【正位置】 今は内省に徹し、冷静になること必要がある。
  内省、洞察力、沈黙、分析、精神世界への理解、単独行動、ブレーンないし助言者の出現。
  • あなたは、優れた洞察力と分析力を持っているようです。ただし自分の能力を過信はせず、日々精進を続けましょう。
  • もしかすると、創作活動やオタク的な趣味を持っていませんか? 今はそのような趣味にツキがあるかもしれません。
  • 協調性というものが強く求められる環境は、今はあなたの首を絞める可能性があります。そのような環境から今は少し身を引いて、自分自身への理解を深めることに集中した方がいいかもしれません。
  • 精神的に疲弊し、人間関係に嫌気がさしていませんか? そうであるならば、静けさと孤独を恐れないでください。それはあなたにとっての一番の友人となり、心の傷を癒すことを助けてくれる可能性があります。
  • その人物はもしかすると、あなたを助けてくれる有能なアドバイザーかもしれません。気難しい人物かもしれませんが、その人は大切にした方がいいでしょう。

【逆位置】 考えが浅いか、もしくは必要以上に深く考えすぎている可能性がある。
  陰湿さ、不信感、劣等感、歪んだ自己愛、余計な邪推、自意識過剰、神経質になりすぎる。
  • 自分の知性を鼻にかけているきらいがあるようです。他者をバカだと見下す前に、正確に自分自身を評価しましょう。自分を過大評価してませんか?
  • 人間不信がさすがに行き過ぎている模様です。そろそろ外に出て、他者と関わってみませんか? 孤独はあなたの親友でしょうが、孤独だけが親友なのはマズい状態です。
  • ちょっと今のあなたは神経質すぎるようです。あなたは「自分の一挙手一投足に周囲の人々が不快感を覚えるのでは?」と怯えているようですが、しかし周囲の人々はそこまであなたの行動を気にしていないと思いますよ。
  • たぶん、その推測は見当違いです。あなたはその考えに自信があるようですが、それは違うと断言できます。自分の意見に凝り固まる前に、ほかの人の意見も聞いてみましょう。
  • 趣味への出費が嵩んでいるように思います。本当にその出費は必要なものですか? それは本当に価値のあるものですか? 今一度、よく検討しなおすべきでしょう。