2018年2月12日月曜日
【大アルカナ】女教皇 - The High Priestess
Ⅱ - The High Priestess
女教皇 キーワード : 少女のような優しさ、安らぎの時間、聡明さと知性、安定、霊性始まりのカードであるマジシャンが神の化身(もしくは全能の神そのもの)ならば。その次の番号が割り振られた女教皇は、神の意思を人に伝える存在といえるでしょう。さしずめ、巫女といったところでしょうか。
またこのカードに纏わる聖ヨハンナの伝話は、このサイトでは省略します。分かりやすく解説しているサイトや書籍は他にあると思いますので、各自で探してみてくださいなーっと。
そんで基本的にこのカードは精神性/霊性を司り、感情を反映する存在です。
女教皇として描かれている女性の後ろにある二本の柱は、光と闇の名前を関しています。黒い柱は闇を意味するBoazの頭文字で、白い柱は光を意味するJachinの頭文字です。神の試練と神の愛とか、それ以外にも意味はあるとか言われてます。
そして柱の間に掛けられた際どい柘榴柄のヴェールは「真実は隠されている」ということ示唆し、背景(=無限に広がる世界。または移り変わる内なる心の姿)が一部見えなくなっています。後ろに広がる背景を「世界」として見た場合、カードのメッセージは「真理は隠されている; そう簡単に見つけられるものではない」となりますし、背景を「心の姿(タロットにおいて水というモチーフは、感情というものを意味していますので)」として見た場合は、カードのメッセージは「本心というものは、完全に把握することは不可能だ; 深層心理は奥底に隠されているのだから」となります。そこら辺の判断は、ケースバイケースになりますね。
また柘榴というモチーフは女性器のように見えるその姿から、転じて母性を象徴するものでもあります。それがヴェールに描かれているということ、そして女教皇の後ろにあるということは、つまり彼女はまだ母性を持ち合わせていない=大人の女性/母親ではない、ということ。分かりやすく言うと、彼女は処女であり性を知らない、ということです。彼女が持っている律法の書「TORA」からも、彼女が清廉潔白で貞節を重んじる、信心深い人物だということが伺えるでしょう。
あと彼女が纏っている衣服は、全体的に水色を帯びてますよね。それに足下は、波立っている。これも「水」をモチーフとしており、上述の通り感情を意味しています。彼女がタロットの世界において、感情を反映する存在であることも、この衣服から理解していただけるでしょう。
そして、彼女の足下にある三日月のオブジェ。これは毎月訪れる月経によるホルモンバランスの変動により、感情が不安定になりやすい女性の姿を暗喩すると共に、19番のカード「月」と関連しています。まあ、三日月は不安定さの象徴というわけです。
それで三日月のオブジェにおいて、見逃してはいけないのは「波立っている」という点。不安定さに拍車が掛かっていると読むか、状況に変化の兆しが見えてきたと読むかは、場に出てきたカードの並び次第ですね。
そんなこんな「女教皇」のカードは、正位置の場合は精神的に十分安定している/直感が冴えていることを示し、逆位置の場合は精神的に不安定な状態に陥っていることを示します。多彩な意味を持ち、状況によってどんな意味になるのかが大きく変化するので、リーディングが難しいカードの一枚でもあります。
【正位置】 冷静に、変化を受け入れることができる。
受動的な人。超神秘の存在。穏やかで清らかな心。内面の変化。
- 落ち着いています。あなたは状況を明確に理解できていますよ。
- 今あなたが抱えている迷いは、無駄なものであると気付くときが近付いている。だって、あなたはもう答えを知っているのだから。……でしょう?
- 変化の時が刻一刻と近付いています。でも大丈夫だよ、変化を受け入れる土台は整っているのだから。
- 心の耳を澄ませて、神秘の存在を信じて。目で見えるものだけが、全てではないのですよ。
【逆位置】 不安や苛立ちに支配され、心を閉ざしてしまう。
冷淡な感情。孤独感。神経質さ。閉ざされた心。うつ状態を示す場合も。
- 落ち着きを無くし、心が荒れている。深呼吸をして、冷静になって。
- 情報が多すぎて混乱中。時には殻に籠って、すべてを遮断することも必要だよ。
- 望まない変化が訪れる予感。傷は避けられないでしょう。心の拠り所を失うかも。
- 何も見たくない、聞きたくない、信じられない。それでは孤立まっしぐら。心を開いて、早急に助けを求めるべきだよ。